日本において障害児通所系サービスを運営するためには、国や地方自治体が定める基準を満たし、正式な指定申請を得る必要があります。
今回は、障害児通所系サービスを運用するときに必要な指定申請や、その申込方法などについて解説します。
障害児通所系サービスを設置するときに必要な指定申請
障害児通所系サービスとは、主に以下の施設のことをいいます。
- 児童発達支援
- 医療型児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 居宅訪問型児童発達支援
- 保育所等訪問支援
- 障害児相談支援
実際には、児童発達支援と放課後等デイサービスが、障害児通所系サービスの多くを占めています。
障害児通所系サービスを運営するには、開設の前に都道府県知事や中核市の市長などから指定障害児通所支援事業者として指定を受けなければなりません。
このとき満たしていなければならない要件は、次の通りです。
法人格を持っていること
指定障害児通所支援事業者に選定されるための1つめの要件は、株式会社や社会福祉法人などといった法人格を持っていることです。
個人の名義で障害児通所系サービスの運営を行うことはできません。
さらに、法人の定款の事業目的には、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業を行う旨が正確に記載されている必要があります。
設備基準を満たしていること
指定障害児通所支援事業者に指定されるための要件の2つめは、厚生労働省令や各自治体の条例に基づいて定められた設備基準を満たしていることです。
具体的に有していなければならない設備は、主に以下の通りです。
- 指導訓練室
- 相談室
- 洗面所
- トイレ
- 静養室
- 事務室
それぞれの設備について、利用定員や1人当たりの最低床面積が決められています。
また、洗面所やトイレは、利用者に適したサイズや形状にすることが求められます。
人員基準を満たしていること
指定障害児通所支援事業者に指定されるための3つめの要件は、人員基準を満たしていることです。
障害児通所系サービスにおいて適切な支援を行うために配置すべき職員は、次のように定められています。
- 児童発達支援管理責任者
- 管理者
- 児童指導員または保育士
- 機能訓練担当職員(機能訓練を行う場合)
- 看護職員 (医療的ケアを行う場合)
上記のうち、児童発達支援管理責任者・児童指導員または保育士のうち少なくとも1人については、常勤でなければいけません。
管理者は施設ごとに配置される必要がありますが、業務に支障がなければ児童発達支援管理責任者との兼任も可能です。
障害児通所系サービスの運用に必要な許認可の申込方法
障害児通所系サービスの運用に必要な許認可を申し込む流れは、次の通りです。
事前準備
障害児通所系サービスの開設を予定する場合には、まず予定地を管轄する都道府県や指定都市の障害福祉担当窓口を訪れるか、ホームページを確認します。
また、札幌市では、令和8年度現在指定障害児通所支援事業者の新規指定を受けるには年に1度の事業者募集に応募する必要があるため、 必ずしも申請が行えるわけではないことに注意が必要です。
立地条件や物件の選定が完了したら、将来にわたって事業が継続可能であることを示す事業計画書や収支予算表の作成に進みます。
指定障害児通所支援事業者指定の申し込み
事前準備が整ったら、指定障害児通所支援事業所の指定申請を行います。
申込時期には自治体ごとに締め切りが設定されていることが多いため、注意してください。
このときに必要な書類としては、以下が挙げられます。
- 指定障害児通所支援事業者指定申請書
- アセスメント想定シート
- 施設の平面図
- 収支計画書
- 個別支援計画
- 資金状態を確認できるもの
(実地調査)
書類審査が概ね完了すると、行政の担当者が施設を直接訪問する場合があります。
担当者は、建物が図面通りであることや避難器具が規定の位置に設置されていることを確認します。
この調査の結果、修正を命じられることもあり得ます。
運営開始の手続き
審査を通過すると、自治体から指定通知書が交付されます。
これにより、対象の施設は正式に障害児通所支援事業者として認めれることになります。
障害児通所系サービスの開設後に継続して必要となる手続き
障害児通所系サービスの適切な運営を継続するためには、開設後も様々な届出が必要となります。
具体的に求められる手続きは、次の通りです。
毎年のWAM NETへの情報更新
障害児通所系サービス事業者は、独立行政法人福祉医療機構が運営するWAM NETを通じて、事業所の情報を登録・公表する義務を負っています。
前年度から登録内容に変更がない場合であっても、毎年自治体が指定する一定の期間内に「変更なし」として報告・更新することが義務付けられている点に注意してください。
報告義務を怠ると、情報公表未報告減算が適用されて基本報酬が減算されることになります。
事業年度末から3か月以内の決算情報の報告
障害福祉サービスを運営する法人は、経営の透明性を確保するために決算情報の報告を求められます。
具体的には、毎年の事業年度末から3か月以内に、資産の総額や収支計算書などの決算内容を所轄庁や自治体へと報告する必要があります。
変更届の随時提出
事業所の運営体制に重大な変化が生じた場合、自治体に対して変更の届出を行わなければなりません。
特に、必須人員の変更については、変更があった日から10日以内の届出が求められます。
また、新たな加算を取得して事業収益を改善させる場合にも、翌月から算定を受けるためには毎月15日までの届出が必要であることに注意が必要です。
まとめ
今回は、障害児通所系サービスを運営するときに必要な許認可と、許可証を申し込む流れについて解説しました。
障害児通所系サービスを運営するためには、人員や設備について定められた要件を満たし、指定障害児通所支援事業者として指定される必要があります。
新たに指定障害児通所支援事業者指定の申し込みを考えられている方や、開設後の運営において必要な届出に負担を感じられている方は、行政書士に相談することを検討してください。

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